2008年6月
1日
<法科大学院の底上げ検討、必須科目の拡充を軸に>
司法試験の合格者数増加に伴い、法曹の質の低下が懸念されている問題で、政府は法科大学院で教える最低限の内容を示す「コア・カリキュラム」策定の検討に入った。
法科大学院ごとに異なる教育内容の大部分を共通化し、教育の質を保証し向上させようとするものだ。中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)で検討を進め、今後2年間で結論を出す方針だ。
法科大学院のカリキュラムは、文科省の省令などで、取得する単位数の下限や「法律基本科目」、「展開・先端科目」などについて授業を開設することが定められているが、細部は各大学院に任せられている。
司法制度改革で法科大学院の設置が決まった際、修了者の7〜8割は司法試験に合格することが理想とされたが、昨年の新司法試験の合格率は全体で4割にとどまった。個別では最高の千葉大法科大学院でも約65%で、一けた台の学校も目立った。教育内容が水準を満たしていないなどとして大学などの評価を行う独立行政法人「大学評価・学位授与機構」などから「不適合」とされた大学院は5校に上り、評価を受けた24校の2割を超している。このため、日弁連など法曹関係者から、コア・カリキュラムの策定を求める声が出ていた。 (読売新聞)
●最低限の知識と気概を持った法曹を、これまでより多いペースで育て上げるというのは簡単なことではないはずです。
法曹にはいろんな素養が要求されるので、「質の向上」といっても、様々な角度から検討を重ねなければならないでしょう。まだあまりにも歴史の浅い法科大学院ですから、議論を重ねられて毎年のようにカリキュラムに手が加えられるのは当然のことでしょうね。「これが絶対」というやり方にはなかなか辿りつけないと思いますが、徐々に洗練されたものになっていくことを期待したいものです。
それにしても、この記事の書き方だと、能力さえあれば7〜8割の合格率もあり得るように解釈してしまいそうですが、司法試験は相対評価ですから、合格率はおおよそ最初から決まっています。7〜8割が理想とされた段階から、法科大学院への入学者数と司法試験合格者数について調整を重ねた結果、4割ほどの合格率に落ち着いたということにすぎないわけですから、「7〜8割が理想なのに、育たないから4割にとどまっている」というようなニュアンスは、完全に間違っています。
最大手の一般紙なのですから、こういったミスリードには気をつけていただきたいものです。
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